人生2割がちょうどいい

人生2割がちょうどいい

人生2割がちょうどいい

小田嶋さんのコラムが好きなので読んでみた。


高校時代のエピソードは「アタマがいいけどアウトロー気味な男の子達の話」で、凄いなと思うけれど自分には分からんというのが正直な感想。
けれど大学卒業後からの話が加速度的に面白くなってゆく。



仕事が"楽しい"訳はないとか。
仕事で自己実現っていうのはどうだろうとか。
(いわく「自己実現って、仕事で稼いだ金でするもんじゃないの?」)



いわゆる「クリエイティブ」という業界で働いている人はまさに「自己実現の結果が仕事」のように思えて、それを"実現"できない自分にコンプレックスを持っていたりしたのだけれど。
そうかあ、職業に過剰に人格を持たせすぎる必要はないのだな、と。



あと、「東京育ちは(地方出身の人と比べて)寂しがりやで、でも人に干渉されることに耐えられない」という意の発言には強く同意。

死神の精度

流行りの伊坂幸太郎を読んでみたい、と思って店頭で選んだ本。



主人公は死神。死を予定された人間と行動を共にし、その死が「可」なのか、或いは「見送り」とすべきかを決定するー。
全六編からなる短編集。



死神の造詣が良い。死”神”としての超越した存在ではなく、ちょっとトボケた探偵のような趣き。
(死神自身は大真面目な人(神?)物なので、「とぼけた」なんて言われたら「私のどこが惚けているのだ?」などと問い返してきそうだけれど)



表題作「死神の精度」よりも、後半の作品のほうが面白い。
というか、短編集でありながらも、全編通して読むべき作品。章立てされた長編と考えるべきだと思う。
前半で正直、若干退屈しかけたのだけれど、最後まで読んで良かった。

鉄人トーク

tejipen2009-06-30

アンガールズトークライブ「鉄人トーク」に行ってきた。
(最近お笑いづいている)


失礼ながらこれまで格段興味があった訳ではないのだけれど、先日何気なく見た「イロモネア」から気になり出したアンガールズ
咄嗟の瞬発力が要求されるあの番組で彼らが活躍できるとは思わなかったのに、グダグダながらに独自の反応を見せていたのが何だか面白くて。
ブログやら何やら辿っているうちに、月1ペースでトークライブを開催しているのを知って足を運んでみた次第。



ライブは2人のフリートーク、ネタ1本、最後にキングオブコメディの高橋氏をゲストに迎えた3人フリートークという構成。



いやー、ゆるかったわーーー。
(あの、基本的に褒めてます)


アンガールズがそもそもそういう芸風なんだと思うけれど、爆笑するというよりは、にやにや、ウフフな感じ(どんな感じだ)
お客さんの大半が女性なのもまあ分かるような。月曜の公演なので男性は来にくいっていうのもあったかもしれないけれど。



こう言ったらプロである2人に失礼なのかもしれないけど、大学時代のサークルを思い出させる感じの懐かしさ。
怠惰に講義サボって(おい)、狭っくるしい部室にゴロゴロしつつ取り留めないおしゃべりを楽しむ。
その会話が何につながるわけでもないんだけれど、自分が興味あること喋って、相手が興味あることに相槌打って、時々何かがツボに入って笑って。
ゆるーい連帯に身を任せる心地良さを久々に味わった気がする。



「暖かい」って形容すると違ってきてしまうんだよなあ・・・(だいたい「暖かいお笑いライブ」ってなんぞや)

でも妙にバリアフリー
舞台の上で喋ってんのに、飲み会で2学年上の先輩がケラケラ喋ってるのをテーブルの斜め前あたりから楽しく聞いてるぐらいの、近すぎず遠すぎずの距離感。良い。



約1時間45分の公演でお値段1,800円也。ゆるく満足。また行きたい。

うたばん

嵐×若手芸人のコラボ企画。2回目であるらしい。
芸人の持ちネタに嵐のメンバーが混ざるというもの。

個人的には、相葉雅紀×ゆってぃのネタが一番ツボだったかなあ。




彼らは初回の企画時に組んでいたらしく、それを踏まえて今回相葉が放ったネタが


「番組を見た友達に”相葉君ってゆってぃよりもゆってぃだよね”って言われたの。心境複雑―!」


相葉雅紀はゆってぃよりもゆってぃ。これ、かなりの慧眼ではなかろうか。


それにしても、嵐の5人は実に器用にネタをこなしていた。堂々としてたし。
お笑いが本職で無い人が参加したほうが、芸人単独で演った時よりも魅力的だったりする逆転現象。
出演してた芸人達のネタが「テンプレート芸」だったからこそなんだけれど、でもそれでいいのかしらお笑い界。

オードリー@「黄金伝説」

オードリーがバラエティ「いきなり!黄金伝説」の企画で「サイゼリヤメニュー全品完食」に挑んでいるのを見る。
面白かった。



私は黄金伝説の熱心な視聴者というわけではなく、かつオードリーには最近随分肩入れしている。
そんな訳でまったく公平な視点ではないかもしれないけれど、今回の「伝説挑戦」はなかなかのクオリティだったのではないかしらん。



私が感心させられたのは、二人が出てくる料理に対して前向きなコメントを続けていたこと。
相当後半になって、”もう食べ物なんて見るのもイヤ”状態になってきても、一口食べたあとの「でもやっぱウマイわ〜」というコメントを忘れなかった。
地味でさりげない言葉だけれど、それによって「極限の満腹状態に置かれている彼らですら賛辞を送る、味は確かなサイゼリヤ」というメッセージを視聴者に伝えることができる。
これで超弩級に安いとなったら、みんなサイゼリヤに行きたくなっちゃうでしょう。私もなりました。



一方で、若林が「何で全メニュー食べなきゃいけないんだ・・・無意味だ、もう止める」と一度は店を後にし、春日もこの苦行に壊れ始めて「このくだらねぇ世の中」なんて暴言を吐いたりする。
いい子ちゃんなだけでもなく、けれどもどこか真っ当で親しみやすいオードリー。このバランスは彼らの魅力の1つだと思います。



あとは、彼らの関係性。
私はさほどお笑いには詳しくないけれど、彼らほど「お互いが無くてはならない」コンビもそういないんじゃないかという気がする。
春日は強烈な素材だけれど、自分を適切に料理してくれる人がいなければただの珍味で終わってしまいかねないし。
若林は坊ちゃんぼっちゃんした外見とは裏腹になかなか(いい意味で)したたかな芸人だと思うけれど、やっぱりピンを張るにはキャラが弱い。
どちらか1人では駄目で、2人揃ってこそ輝くのがオードリー。
これは・・・萌え、だよなあー。
しかも私立中学からの付き合い。部活も同じ。そりゃもう腐れ縁という名の運命、というわけで、彼らに腐女子的な興味を持つ人も多いだろうと思います。
(オードリー自身、戦略の一環としてその辺りを上手に出している部分もあるような気がする)


黄金伝説はまさに芸人のキャラクターと関係性をクローズアップする番組であるだけに、そんなオードリーの魅力を生かすにはぴったりだったような気がします。
でも仕事としては辛かっただろうなあ。

ハクバノ王子サマ

暗くなってヘコんで下を向いていてもいいことない、ささいないことで気にしない落ち込まない笑い飛ばせ。
頭では分かっていることにどうにもこうにもついてこない自分の心。


不毛な絶望感に翻弄されながらふと思う。
一体何だって私のココロはこんなにも浮上をすることを拒否するのだ?
そんなことをしたって良いことは何もないのはこの30ウン年で思い知った。
なら、同じ毎日でも、明るく楽しく穏やかに過ごしたほうが自分にとってだってメリットがあるのに。


落ち込みながら、ヘコみながら、私は訴えているのだ。


私はこんなにつらい。
こんなに傷ついている。
こんなに疲れている。
それでも健気にこんなにこんなに頑張って生きている。


そして待っている。
私の声無き叫びを拾い上げ、この"ろくでもない世界"から救い出してくれる王子様が現れるのを。


…。


うーーーあーーーーー
そうかそうかそうかーーーーーー
私が意地でも明るい気分になりたくない(!)のは、そんな超絶テレパス王子様に心の声を発信するためなのかー!


私が安定しちゃったら、王子様はこの心の声に気づかない。
助けに来てくれない。
だから私はこの不安を抱え続け、発信し続けなければならない。
王子様に出会うその日まで。


このカラクリ、意外と間違ったヨミでもないような気がする。
自分の自動反応を一つ見つけた気分。


伴侶は見つけたいけれど、それと心を穏やかに保つことは矛盾しない。
(むしろそうすることが逆に近道のような)


さよなら、テレパス王子。

スマステ

ゲストにオードリーを迎え、70〜80年代の流行や重大ニュースを振り返る。
私は70年代後半の生まれなのだけれど、「たのきんトリオ」が「田原野村近藤トリオ」の略称だということを始めて知った。30年(ウン年)目の真実。

春日は心臓強いなあ。若林がその大らかさ(≒鈍感さ)に救われるというのも頷ける。
お互いを補いあって、芸能界の荒波を力強く渡って行って欲しい。楽しみ。