第38回「ある隊士の切腹」&第39回「将軍、死す」

山南さんの回も、松原さんの回も、泣いた。なのに河合さんの回では泣けなかった。誰も望んでいない死、(誤解を恐れずに言えば)死ぬに足るドラマもない死。そしてラストに到着する飛脚。『新選組!』観ていて、ここまでやり切れず暗い気持ちになったのは今回が初めて。


決して第38回が悪かったとか観たくなかったというのではなく。ただただ、やり切れない。感想を表現できる文章力がないのがくやしい。


ただ一つ、残しておきたいのは土方の台詞。
「ここで河合を許したら、山南の死が無駄になる」
(…「ただ一つ」とか言いながらうろ覚えですみません)


前から不思議だった。山南切腹間際の台詞。
「私が腹を切ることで、新選組の結束はより固まる。…これが、私の新選組総長としての最後の仕事です」
(またもやうろ覚えですみません)


なぜ?なぜ山南さんが切腹したら新選組の結束が強まるのだ??


土方は、頑なに「法度の遵守」を掲げている。
それが山南に報いる唯一の方法であると信じている。
だけど、山南はそもそも、隊を法度で縛り上げることに反対ではなかったか?
だからこそ土方と対立したのではなかったか??


けれど、38話、そして39話を見て。
山南が果たしたかったのは、実は河合が体現した役目だったのかな…という思いがよぎった。


法度に縛られるあまり、誰もが河合を救いたいと思いながらそれを叶えることができない。介錯にも失敗され、苦しむ姿を見せてから死んでゆく河合。そして、もう何もかも取り戻すこと叶わぬ状態で現れた飛脚。


この悲惨な出来事があったからこそ、39話で斉藤一は浅野を見逃し(それが温情なのか、ただこれ以上仲間であったものを手にかけたくないという一心だったのかはわからないけれども)、源さんは身を挺して周平をかばったのだと思う。


山南が願った新選組の姿。それは、もうこれ以上法度のために命を落とすものがないよう、規律を破る者が生じないよう、「まわりの人間が努力する」新選組だったのかもしれない。


…。
ううう。
何となくそんなことを考えましたが、うまく書けなーいー。難しいなああ、ほんとに。解釈自体にも今ひとつ自信がないし。
今度、改めて『新選組!』感想サイト巡ってみよう。


●その他の見所

  • 斉藤一オダギリジョー):何と言うか、ほんとに、「おいしい」キャラだなあこの人は。あの木彫りの人形は何?何でサノとおまさちゃんの祝言報告に泣きそうな顔してるの??感動して??(←違うと思うけど…)この人が出てくると惹きつけられる。三谷さんのキャラ設定の巧みさもありますが、オダジョさんも今回、私の中で株が上がった役者さんの一人です(←エラそう…)
  • 近藤周平(浅利陽介):もう一挙手一投足がいとおしいです。周平はほんとえらい。いい子。がんばれ。源さんに会えて、良かったね。
  • サノ&おまさちゃん:おめでとうございます!ラブラブですな。
  • 永倉新八山口智充):「愉快愉快!」
  • 土方歳三山本耕史):局長に「こいつは適当に遊んでるから」と言われたときの表情…。これは三谷さんから「やりすぎ」ダメだしはないかしら?
  • 近藤勇香取慎吾):いよいよ彼が何を考えているのか分からなくなってきたよー。
  • 河合耆三郎大倉孝二):大倉氏、すばらしかった。