第30回「永倉新八、反乱」


あー。山南さんに「死亡フラグ」がぁぁぁ!いやー。


池田屋の恩賞金祝い、土方が「今夜は試衛館生え抜きの人間だけで」って言った傍から山南さん登場。
気まずい・・・気まずすぎる・・・。
自分だったらそのままこの場に居残ることなんて出来ない。不可能。
なのに残る山南。なぜだ?総長の意地?来てしまったものは仕方ないから?ちょっとでも土方に意見するため??
見ているこっちがいたたまれない・・・。


それにしてもいつの間に、土方の山南への反発心、敵愾心はこんなに強くなったのだろう。
この二人のすれ違いエピソードは随所に挟まれていたとはいえ、そこまで決定的な決裂シーンはなかったはず。
・・・と思いつつも、実際人が人を嫌うときというのは得てしてこんなものかもしれないなあ、とも思う。


何か大きな対立のきっかけがあったなら、その問題自体が解決されれば案外するりと和解できることもある。
けれども、何となく感じる嫌悪感、いけ好かない気分というのは理屈じゃない。その分だけ根は深く、どんな理屈を持ってしても覆すのは難しい。


今回の「新選組!」、内部対立のごたごたは何だか学校の教室内のそれ、部活内のそれ、小さな村の中でのそれを見ているようだった。各人が全然ビジネスライクじゃなくて、もろ好き嫌い、情の部分で動いている。


でも、実際、新選組というのはそういう組織だったのかもしれないという気がした。
何十という同世代の人間が、1日24時間寝食をともに暮らしていたのだ。
割り切ったビジネス組織(というと語弊があるけど)になどなれるわけがない。
そう思うと、「新選組を大きくする!そのために命令系統を組織化!」とぶち上げる土方が何だか滑稽にすら思えて、切なくなる。
不適切な例えかもしれないが、文化祭でやたら一人熱くなり、クラスメートに効率や合理性を求め、賛同が得られずいらついている高校生のようなのだ。
同級生たちは皆、結局「近藤さんの人柄についてきた」だけなのに。
そこを理解せず、正論と権力で頭ごなしに何かを言っても、待っているのは破局だけなのに。
土方が、もしもっと冷静に目的の全う、新選組の結束を固くし組織を大きくすることを考えたなら。
局長・近藤勇、総長・山南敬助の求心力をもっと上手に利用するべきなのだ。


見ていて痛い、今の「新選組!」。
非常に魅力あるドラマだし、これからも見続けるつもりだけど、回を追うごとに見るのが辛くなりそうだ。


土方の「よくここまで頑張ってきたよな、俺たち」という言葉。
痛いよー。痛すぎる。
「日本を洗濯する!」という坂本竜馬に対して、隊士も増えた・お金ももらった・名前もあがって有名人になってきたぞ俺たち!レベルな新選組
そのスケールの違いが、本人たちが一生懸命なだけに、切なく痛い。
現代社会でも、よくあるよね、こういうこと。