第31回「江戸へ帰る」
キャラ別に。
【山南敬助】
大好きなのに。登場すると嬉しいのに、同時に辛い。やるせない。痛い。
山南さんの孤独が、もっとも濃く現れた回。
土方が内面に抱える苦悩や孤独感も相当なものだろう。
だが、土方のそれと比べて、山南の孤独は更に暗く深い。
土方が源さんに言う。
「源さんにだけは分かってほしくて…甘いな、俺も」
「心中お察しします」、と源さん。
でも、山南にはそんな自分の心中を吐露できる相手もいない。
土方に何を言われても、何をされても、真正面から対立するということができない山南。
自分を抑えて抑えて、こらえてこらえて、波風立てないように、揉めないように。
だけどそれは、山南の弱さだ。
真に新選組を思い、国の行く先を思うなら、悩んで苦しむだけでは駄目なのだ。
山南自身もそれは分かっているから、とにもかくにも己の道を突き進んでいる土方に結局何も言えなくなるのだろうけど。
悲しい悪循環。
そこで勇気を出して殻を破れば、何か行動を起こせば、もしかしたら違った未来が開けた、かもしれないのに。
堺雅人が、NHKのスタジオパークに出演した際、山南を「凡人」と評していた。
その言葉が、今になって突き刺さってくる。
「頭で分かってる」じゃ意味が無い。
何かをなすことができるかできないか。表出できるか否か。
堺雅人、見事だなあ。
【おすず(明里)】
そして、そんな山南さんが出会う遊女、おすずさん。
鈴木砂羽、好演!
色っぽさとか、ちょっと頭が弱い感じとか、やりようによってはすごく嫌味で見てられないんだけど、砂羽姐さんのおすずはとっても魅力的。
【土方歳三】
開始早々、武田観柳斎にツッコむトシさん。律儀です。ちょっと声上ずってましたが。
武八郎の遺体を見つけ、自分を睨みつけてくる山南さんに対して「そいつを殺したのは・・・」
てっきり「お前(山南)だ」、と言うと思ったんですよ。私。
でも土方の台詞は「俺とお前だ」。
何か、土方のねじれた愛情を見た思いがして、切なくなった。
たぶん土方は山南のことを嫌いじゃない。
だからこそ、あまりに自分と相容れない山南を見るのが辛いのだろう。
「覚悟決めろよ」
土方のそんな言葉が聞こえてくるような気がした。
なのにこれから、おそらくは違う方向で覚悟を決めてしまう山南・・・。
切ないよ。
【葛山武八郎】
今回の助演男優賞!グッジョブでした平畠さん!
山南とはまた違う凡人の悲哀がよく出てた。演技上手いんだなー。
土方のやり口は誉められたものじゃないけど、でもどんな時代でも、流されるだけ流されて最後に文句言っても駄目なんだよね。
自戒を込めて、そう思う。
【斎藤一】
だんだんキャラが立ってきた、オダギリ斎藤。
周りの主要キャラが皆、あれこれ苦悩する中で(そう、土方でさえ)、徹底してGoing my way、というかロックオンした主君一筋。
謹慎部屋のシーン、なんで武八郎を見つめてるのかと思ってたら、ああそうか、寝てたのねあれは!
「新選組!」感想ページ巡りしてて初めて気づいた鈍い私・・・。
【近藤局長&つね】
田畑智子かーわーいーいー。
二人が抱き合うシーンはちょっとドキドキしちゃいました。いつまでも初々しくていいねー。
近藤局長と松本良順のシーンはいいシーンだった。
【原田左之助】
上記二人とはあまりにも趣は違うが、純粋におまさちゃん一筋なサノ。何かどんどん人間離れしていってる気がしますが・・・おまさちゃんもまんざらじゃなさそうになってきたし、もう一歩ねー。がんばれー。
【藤堂平助】
「顔が長くなった」って・・・。三谷さんヒドイ。
伊東大蔵とのシーンは複雑。
もう、ひでちゃん相手にラブコメしてた純朴な平助は見られないのかしら・・・。
【伊東大蔵】
出たー。谷原章介ー。時代劇の紛争しても耽美です。