距離感

誰かと一緒にいる時間が長くなると、私はどうもその人とうまくいかなくなる。
礼儀をわきまえた完全な他人でもなく、少々の粗もひっくるめて慣れている家族でもない、それでいて生活の多くの時間を共有する人々。
彼氏であったり、あるいは職場の同僚であったりという人達と。
付き合いの長さが居心地の良さにつながるのではなく、むしろ欠点の発見だったり新鮮味の損失だったりというマイナス方向にふれる。


そういう自分があまり好きではないけれど、実際そうなのだから仕方がないのだと近頃は思う。
無理に近づき続けて決定的に破局するより、自分に許容できる距離を何とか確保していくしかないのだ。


それにしても、エッセイやドラマなどでよく見かける「友人同士の辛らつな意見のやり取り」。
世の中の仲良し達ってほんとにあんなことをお互い言い合ってるんだろうか。


「あんたそんなんだからいつまで経っても結婚できないのヨ」
バツイチ女に言われたくないわネ」


紋切型だが、そんな"気の置けない"友人との会話が描写されているエッセイ、何度も読んだような気がするのだが
そんな関係本当にあちこちに転がってるんだろうか。


憧れはしても、自分は絶対その世界に住むことは出来ないのだと思う。
本音をぶつけ合うことが親しさの証だとは受け止められないのだ。
それがただの軽口だと分かってはいても。